当社水系接着剤はどんな用途や素材で使われているのか

当社水系接着剤はどんな用途や素材で使われているのか

refresh 26/03/13

1. はじめに

1. はじめに

接着剤は、用途や接着対象となる素材によって求められる性能が異なります。
どの場面で、どんな素材に対して、どのような形態で供給されているか。その実態を整理することで、製品特性や技術的な得意領域を客観的に示すことができます。

本記事では、当社が扱う水系接着剤の注文履歴を対象として、

  • どの用途に使われているのか
  • どんな素材に適用されているのか

を整理・可視化しました。
実際の使用実績を通じて、当社接着剤の特徴や得意領域を具体的に理解していただくことを目的としています。
技術検討や開発の初期段階における実現可能性の判断材料としてご活用ください。

集計対象と本記事の位置づけ

以下の条件に基づき、抽出したデータを整理してグラフ化しました。

  • 対象期間: 2025年5月 ~ 2026年1月(計9ヶ月間)
  • 対象製品: 「水系接着剤」に区分される製品群(洗浄剤、UV接着剤などを含まない)
  • 集計単位: 期間内に注文された製品の「用途」と「対象素材」の件数

本データは性能の優劣を示すものではありません。
どのような製品が注文されているかの傾向を示すものです。

2. 用途別に見る、水系接着剤の役割

用途別の内訳は、以下の構成となっています。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

用途 比率 技術的背景・要求事例
接着剤 44% 貼り合わせ用途
作業環境の改善と実用強度の両立
原材料 36% 処方設計への柔軟性
他材料との混和性やプロセス適合性
粘着剤 11% 高粘着性
一時固定、再剥離性
塗工剤 9% 塗料などのコーティング用途
プライマー剤

2. 用途別に見る、水系接着剤の役割

接着剤用途(44%)

最も多いのが、貼り合わせを目的とした接着剤用途です。
接着用途には、恒久的な固定、異素材同士の接合、作業性を重視した接着など、用途ごとに異なる要求条件があります。
水系接着剤特有の低臭気やVOC低減といった作業環境への配慮に加え、実用強度のバランスが評価されています。

原材料用途(36%)

原材料用途(36%)

注目すべき点として、原材料用途が全体の3割以上を占めることが挙げられます。
顧客側で製造する製品の原材料として利用されており、当社は接着剤メーカーであると同時に、原料メーカーとしての側面もあることが分かります。

具体的な使用先として、接着剤・粘着剤・塗料の構成原料や、粉末と混ぜ合わせて塗布剤として活用する例があります。
この用途では、接着力そのものが重視されることはもちろんのこと

  • 最終物性への影響
  • 他の材料との配合相性
  • 加工プロセスにおける適合性

といった点も、同様に重視される傾向があります。

粘着剤用途(11%)・塗工剤用途(9%)

粘着剤は、一時固定や再剥離性を求められる用途で活用されており、塗工剤は、主に塗料などのコーティング用途やプライマー剤として活用されています。
表面改質や機能層形成を目的とした用途では、接着剤とは異なる処方設計が必要になります。

3. 接着対象の素材別に見る、適用の広がり

素材別では、以下のような内訳となっています。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

素材 比率 技術的背景・要求事例
51% コンタクト接着、疑似接着
ゴム 13% コンタクト接着、補修用途
金属 9% 鋼線ほつれ止め
9% 自着性、加硫接着性、速乾性
8% 柔軟性、密着性
その他 9%  

3. 接着対象の素材別に見る、適用の広がり

紙(51%)

紙(51%)

当社の接着剤製品は、紙用途での使用が半数以上を占めています。
作業性・安全性・環境配慮という観点からも、水系接着剤が選定されやすい傾向があります。
当社の代表的な製品としては、自着糊(アドヘアのり、コールドシール剤)や、圧着はがき用の疑似接着剤が挙げられます。
これらは、天然ゴム特有の自着性(コンタクト接着性)を活かすことで実現されています。
紙は多孔質で吸液性があり、種類によって表面状態の違いも大きいため、安定した接着を実現するには配合設計が重要となります。

ゴム(13%)・金属(9%)

基本的に接着強度が不足しやすく、水系接着剤との相性は悪いです。
特に両面がこの素材だと接着剤の水分乾燥が阻害されるため、接着条件の制約があります。
そのため、これらの接着対象では、主に片面塗布となるコーティング用途の適用事例が多いです。
製品の具体例として、卓球ラケットの接着剤、ウェットスーツの補修剤、鋼線のほつれ止め剤があります。

靴(9%)・布(8%)・その他(9%)

靴用途は、皮革や綿布などの素材を対象としており、スニーカーや革靴の製造において当社製品が用いられています。
布用途には、不織布用の接着剤や、カーペット裏処理に用いられるタフティング剤が該当します。
選定にあたっては接着強度に加え、接着層の柔軟性(低Tg)も重要です。
顧客要件によっては、接着剤そのものの臭気の少なさや、素材全体の柔らかな風合いを維持できるかについても必要となります。
過去に当ブログの開発事例で記事化しているので、ご興味がありましたら閲覧ください。

不織布の接着剤:https://www.regitex.co.jp/blog/water-based-adhesive-nonwoven-natural-rubber/

タフティング剤:https://www.regitex.co.jp/blog/case-study-5-tufting/

4. 当社の水性接着剤がご提供できる価値

当社製品は、あらゆる素材に等しく機能する万能品ではありません。
素材条件によっては、接着力が不足することや、乾燥工程の管理が必要となります。
他社が供給する有機溶剤系の接着剤や、化学反応で硬化する接着剤(湿気硬化型や二液硬化型など)の方が適している場面もあります。
当社の得意領域と、条件の見極めが必要な領域をご提示することで、ご相談いただく皆様とのミスマッチを最小限に抑えることができると考えています。
適切な対象条件や、原材料供給という形態においては、長年の知見に基づく解決策を提供することが可能です。

5. おわりに:技術相談のステップについて

本記事で紹介したデータは、検討を進める上での目安の一つです。
環境対応(水系化)が可能か、既存処方に当社原料を組み込めるかといった、具体的な課題に対しては以下のようなステップで対応しています。

  • 適合性の判断: 過去の蓄積データに基づいて実現の可能性を回答します。
  • ラボテストの実施: 必要に応じて素材サンプルをお預かりし、実際の塗工適性や接着強度を検証します。
  • 物性カスタマイズ: 接着剤の処方設計を行い、固形分、pH、粘度などの基本物性を調整します。

希望要件やスペックは未確定でもご相談は可能です。
ただし、工程条件や被着対象などの事前情報があるほど、初回から具体化できます。
技術的な対話を大切にしながら、現場で無理なく使える形になるよう、継続してサポートしてまいります。

 

株式会社レヂテックスは神奈川県の液体天然ゴム専門メーカーとして、水性接着剤、水溶性接着剤の開発、製造を行っています。天然由来原料を主成分とした天然ゴムラテックスは環境に配慮した製造を行える自然素材として評価されています。また、当社は製造工程では揮発性有機化化合物や環境負荷物質を削減するなど、環境保全にも努めています。
新製品情報、研究・開発体制、開発事例などをブログで紹介していますのでぜひチェックしていただきたいと思います。製品や新たな製品開発について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問合せください。