水性接着剤ができる環境対応と当社製品の特徴

水性接着剤ができる環境対応と当社製品の特徴

refresh 23/10/30

水性接着剤は水を溶媒とする接着剤で、安全性に優れる特徴があります。
現在SDGs・カーボンニュートラル等環境に対する意識の高まりから、水性接着剤が注目されています。
レヂテックスは30年以上にわたり水性接着剤の開発・製造を行っており、環境対応・持続的な開発を目的としたご要望にお応えできる、様々な技術・製品を有しております。
今回は、今どのような理由で水性接着剤が求められているか、それに対して当社がどのような製品・ソリューションでお応えしているかをご紹介します。

水性接着剤と環境対応

水性接着剤はこれまでも地球環境を考えた製品として注目されていました。
それには、水性が持つ以下のような特徴があるからです。

  • ・溶剤として水を使用するため、有害な有機溶剤の使用を減少させられる。
  • ・石油由来となる有機溶剤の使用を減らすことで、二酸化炭素の排出を抑制できる。
  • ・VOC(揮発性有機化合物)排出が極めて少なく、温暖化や光化学オキシダント発生に繋がりにくい。

過去に環境意識の高まりがあるごとに水性接着剤への関心は高まっていましたが、
サステナビリティの考えが広まった結果「地球環境」だけでなく、「人の環境」という部分でも改善を行うことが求められ、さらに関心が高まりました。
この「人の環境」に寄与できる水性接着剤の特徴には次のようなものがあります。

  • ・主成分が水であり、保管や取り扱いが容易である。
  • ・非危険物に分類されるため、引火の危険性がなく安全性に優れる。
  • ・揮発する有機溶剤が少なく、健康被害の低減に寄与するため、作業環境が改善される。
  • ・労働環境の改善が見込めることで、現場作業者のストレス低減や人員定着が期待できる。

このように、水性接着剤は健康への影響が少ないことに加え、作業環境・労働環境の改善にもつながるため、現在求められているサステナビリティに寄与する点で注目が高まっています。

ご提供している製品の特徴

レヂテックスではこのような環境対応・サステナビリティ対応に利用できる水性接着剤をご提供しています。

H-101CB

H-101CB

  • ・天然ゴムラテックスが主成分の水性接着剤
  • ・環境対応型、天然由来ポリマー主体、樹木から採取されるカーボンニュートラル材料
  • ・布用接着剤、マスキング塗料、充填剤混和用のバインダー樹脂

こちらの製品についての詳しい製品情報はこちら
» 天然ゴムラテックス系接着剤 H-101CB

A-401BT

A-401BT

  • ・合成樹脂が主成分の水性接着剤
  • ・コンクリートやモルタルに生じたヒビ割れの補修を目的とした製品
  • ・屋根、バルコニー、物置などの雨漏り補修、屋外DIY、簡易修繕
  • ・環境対応型の水性塗料、屋外/屋内両用、耐候性

こちらの製品についての詳しい製品情報はこちら
» 水性接着剤、防水塗料 A-401BT


レヂテックスではこれらの製品にお客様のご要望に応じたカスタマイズが可能で、
特に環境・サステナビリティに関連する内容としては次のような調整が可能です。

●接着剤開発に天然由来原料を活用
天然ゴムラテックスを材料に用いた開発を強みとして展開しています。

●刺激臭の低減
天然ゴムラテックスの刺激臭をできる限り低減することが可能です。

●安全性が高い材料や、規制対象リスクが低い材料を選定した製品
VOCレスの接着剤、将来的な規制強化に対して有利となる接着剤の開発が可能です。

レヂテックスで提供した水性接着剤の事例

これまで環境対応・作業環境改善のために水性接着剤を開発した例には次のようなものがあります。

例1: U-PFMK2(塩化ビニル樹脂と再生フェルトの接着)
  • ・溶剤系接着剤からの切り替え
  • ・密着性が優れる材料選定を行い、現行製品に近い性能確保を目指した。
  • ・同等の接着性能が得られ、作業環境の改善

詳しくはこちらのページでご紹介しています >>水系接着剤 U-PFMK2

例2: A-200BG(金属線のほつれ止め、マスキング剤)
  • ・溶剤系接着剤からの切り替え
  • ・接着力の確保、金属線のサビ発生。
  • ・水性であるものの金属サビを抑える処方を構築して、外観汚損の懸念を取り除いた。

詳しくはこちらのページでご紹介しています >>水系接着剤、マスキング剤 A-200BG

水性接着剤では対応が難しいこと

これまで挙げたように水性接着剤では様々な環境対応を実現できますが、次のような対応が難しい条件や分野もあります。

  • ・条件 車両、建築、土木等の構造用接着剤に求められる諸条件
  • ・理由 接着性能や耐候性に劣り、性能が不足する場合が多い。
  • ・条件 水分の乾燥工程が難しい条件・環境
  • ・理由 硬化には水の乾燥が必須のため、所定の時間が必要である。
    ライン工程に組み込む場合は加熱等の乾燥工程が必要となる。
  • ・条件 難接着素材に対する接着力が必要な条件
  • ・理由 溶剤系や反応系の接着剤と比べて、密着性が劣る傾向があり、
    高い接着性能を要求される場合、実現できる可能性が低い。
    例:ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコンゴム 等

レヂテックスにご相談いただく場合でも上記の理由のためお断りすることがあります。
ただ、そのような場合でも、実現が難しい理由の説明、技術的な見解教示、可能性がありうる他社接着剤を提案する等の代替案を示すことで、お客様の課題解決の糸口となるソリューションを提供できるよう努めています。

レヂテックスでの水性接着剤開発について

レヂテックスの強みはお客様とともに研究・開発を行い、現実的な解決法へとすり合わせていくスタイルです。水性接着剤の特徴を活かしたい製品、問題などがあればまずは下記よりご相談くださいませ。

環境・持続可能性に対する取り組みは、今後増減があっても短期的に、長期的に必要とされ続けると予想されます。
レヂテックスは水性接着剤の分野で対応をサポートできます。
皆様の取り組みに、ぜひ当社の技術力を活用いただければ幸いです。

株式会社レヂテックスは神奈川県の液体天然ゴム専門メーカーとして、水性接着剤、水溶性接着剤の開発、製造を行っています。天然由来原料を主成分とした天然ゴムラテックスは環境に配慮した製造を行える自然素材として評価されています。また、当社は製造工程では揮発性有機化化合物や環境負荷物質を削減するなど、環境保全にも努めています。
新製品情報、研究・開発体制、開発事例などをブログで紹介していますのでぜひチェックしていただきたいと思います。製品や新たな製品開発について詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問合せください。