グリーン調達を支える水性接着剤と天然ゴムラテックス
26/04/22
現在、製造業におけるグリーン調達への対応は、製品本体や主原料に留まらず、副資材である接着剤にも波及しています。 当社が取り扱う水性接着剤は、有機溶剤系接着剤の代替候補として検討されやすい材料です。その中でも、天然ゴムラテックスは、植物由来材料という特徴を持ち、用途によっては接着性能の面でも強みを発揮できる可能性があります。
一方で、環境負荷の低い材料への転換は、往々にして既存の生産プロセスとの摩擦を生みます。水性接着剤への代替は、単なる材料置換ではなく、生産効率と品質を再構築する技術的な課題として捉える必要があります 。
水性接着剤は、VOC(揮発性有機化合物)の低減を図りやすく、作業環境の改善や臭気の解消、さらには火災リスクの低減といった安全衛生面の利点を有しています。こうした環境配慮型材料としての側面は、社内承認や顧客説明において有利に働きやすく、グリーン調達を推進する上で大きなメリットとなります
。 しかし、実務において最も優先されるべきは要求される性能の維持であり、単に水性であることや、環境負荷が低いことだけを理由に採用することは現実的ではありません。導入にあたっては、接着性能、乾燥条件、生産速度といった実用面での成立性を慎重に検証し、環境性と性能の両立を前提とした評価を行うことが不可欠です。
天然ゴムラテックスは、植物由来のバイオマス資源であると同時に、合成樹脂エマルジョンでは代替が困難な独自の物理的特性を備えています。グリーン調達を進める上で、天然ゴムラテックスを採用する場合は、以下の2つの特性が、実際の用途においてどのように機能するかが選定の鍵となります
。 天然ゴム特有の性質である自着性(ゴム同士が接着する性質)を活かすことで、接着工程そのものを合理化できる場合があります。この接着方式はコンタクト接着と呼ばれており、接着剤を塗布・乾燥させた面同士を圧着することで接合が得られます。貼り合わせ直後から高い接着力が得られ、圧締時間を短縮しやすいのが特長です。
天然ゴムラテックスの乾燥後の皮膜は柔らかく、伸びが大きく、曲げや衝撃に追従しやすい特徴があります。こうした柔軟性は、素材自体の柔らかな風合いを維持したいときに大きな利点となります。 当社では、この「自着性」や「柔軟性」を活かし、不織布用途において、顧客が従来使用していた有機溶剤系接着剤から置き換えを実現した実績があります。 不織布用水性接着剤の開発事例:変性天然ゴムラテックスによる環境対応と実用性の両立
― H-BCBシリーズのご紹介 ―
不織布製品の環境価値を高める「変性天然ゴム系水性接着剤」の開発事例を紹介します。バイオマス由来原料を主剤としながら、既存工程での加工適性と3年間の継続採用実績による信頼性を両立。脱プラスチックやSDGs対応を具体化する、現実的な最適解をご提案します。
天然ゴムラテックスは、石油由来原料への依存を低減するグリーン調達の有力な候補となります。ただし、開発現場では、天然由来であること以上に、既存の品質基準を満たせるかが重要です。 先に述べたように、水性であることや天然由来であることだけを理由としてそのまま採用できるとは限りません。採用に関しては、被着体との相性、乾燥条件、生産速度、その他の要求性能を考慮した適合確認が欠かせません。 当社の主力分野は、帳票印刷等の紙加工分野、いわゆるビジネスフォーム用途の接着剤です。これを軸として培ってきた接着剤の知見をもとに、天然ゴムラテックスを接着剤用途で広く活用するためのノウハウ蓄積に注力しています。天然ゴムラテックスを主剤とする接着剤開発においては、実現の難易度が高いテーマが多いです。その中でも当社の特徴は、用途や条件に応じてどのように成立させるかを模索し、小回りの利く技術対応を進めています。
環境対応は一過性のトレンドではなく、企業の持続可能性を左右する要件になりました。水性接着剤は、企業における環境対応に向けた取り組みを支える選択肢となります。さらに、当社が得意とする天然ゴムラテックスという再生可能なバイオマス資源は、グリーン調達における有効な選択肢になり得ます。
私たちは、環境性と実用性の両立を求める開発担当者の皆様に対し、事実に基づいたデータと蓄積された知見をもって、納得感のある材料選定を支援いたします 。 お問い合わせの前に必ずお読みください環境配慮が求められる背景と課題

接着剤の選定においては、化学物質管理や取引先からの調査対応等の法規的側面に加えて、作業環境の改善を目的とした安全衛生上の観点から、見直される場面が増えています。水性接着剤の評価ポイント
実用面から見た天然ゴムラテックスの利点
接着工程を簡略化する「自着性」
被着体の変形に耐える「柔軟性」
合成ゴムや合成樹脂にも似たように柔軟性に富んだグレードはありますが、天然ゴムにしか発揮できない弾性や耐寒性もあることから、用途によっては替えが効かない材料として使用されています。
接着剤の転換においては、性能低下が懸念されることが多いですが、使用する環境や基材条件を整理しつつ天然ゴムラテックスの特性を適切に活用することで、実務上も十分に適用できる製品を開発しました。変性天然ゴムを主成分とした製品事例
26/02/13
グリーン調達の対応と検証
具体的には、以下のような検証を並行して行う必要があります。
水は有機溶剤と比較して蒸発しにくいため、単なる置き換えでは乾燥不足が生じがちです。乾燥設備を見直して、温度や風速といった適切な乾燥工程を構築することや、処方の見直しで速乾性の改善が見込めるかを検証することがあります。
天然ゴムは、太陽光や熱によって徐々に劣化します。この劣化により特有の柔軟性が損なわれるため、中長期にわたる使用においては接着剤の耐候性を確認する必要があります。耐候性評価の代表例として、屋外暴露試験や、サンシャインウェザーメーターを用いた加速試験があります。
有機溶剤系接着剤と比べて、接着基材への密着性が劣る傾向があります。改善するためのアプローチとして、界面活性剤を処方して濡れ性を高めること、密着性が高まるような添加剤の処方、樹脂エマルジョンや水溶液の粒子径が最適化されているか等を、個別で検証することが多いです。
当社の技術的アプローチと開発支援
まとめ

グリーン調達や環境対応に向けた課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度当社へご相談ください 。


